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米芾の書の学び​

米芾の臨書学習

米芾の臨書学習

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​高等学校芸術科書道Ⅱの学習例

米芾(べいふつ)

 

王羲之や唐人の作品であったかの真跡を研究するうえで最も参考にするのが、米芾の題跋であるとされていて、彼の鑑識眼は「中国史上最高」との呼び声も高く、米法山水の創始者として広く知られ、多くの人が彼の書に影響を受けました。

「宋の四大家」米芾の特徴

蘇軾(そしょく)、蔡襄(さいじょう)、黄庭堅(こうていけん)と4人で宋の四大家と呼ばれています。そのなかでも米芾は特に書技に精通していると定評がありました。

蘇軾、蔡襄、黄庭堅の3人は政治家として活躍をしていましたが、米芾は文学者・画家・収蔵家・鑑賞家としても活躍をしており、書画の分野の専門家として生涯を終えます。

宋の時代では科挙至上主義と言われていますが、米芾の母が皇后の乳母として仕えていたことから、彼は科挙を受験することもなく官途に就くことができたそうです。

代表作

蜀素帖(しょくそじょう):元祐3年(1088年)

米芾が38歳の時の行書です。蜀、現在の四川省で織られた絹の巻物にこの名がかいてあります。織り目が荒く珍しい材質であったため、かなり書きにくかったと思われますが、その才を遺憾なく発揮し、中年期の代表作として評されています。

張季明帖(ちょうきめいじょう)

柔軟に書いている作品ですが、古法の基礎があり品格が高く、米芾の作品のなかでも比較的晩年の書とみられている彼の傑作です。一筆書きの部分は王献之の『中秋帖』に似ていることもあり、米芾が寄せているとの見方もあります。

​書写書道カリキュラムマップ

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S 探求コース LA コース 書写書道学習について

新設 S 探求コース・LA コースでは「自国の伝統文化としての文字文化の学び」を中 高6カ年の聖徳オリジナルの書写書道教育プログラムを実践します。

学習内容については中学1年生•2年生で「伝統的文字文化(言語文化)の学びとし ての生活に活かす書写技能•知識の基本の徹底」を、中学3年〜高校3年生までは「書 文化•芸術科書道として書道芸術の表現活動や言語活動としての書の創作表現」を中心 に学びます。

在学中毎週必修で学ぶ書写書道では、「自国の文字文化を次世代へ継承できる美しい 手書き文字の担い手の育成」を目標に、毛筆の学習では漢字のすべての書体(楷書•行 書•草書•隷書•篆書)の基本用筆と書道史を学び、さらに中学 2 年からは継続して平安 時代の仮名の名筆(=古筆)の臨書を行います。また硬筆では「文字を正しく整えて速 く書くことができ、その書写の力を学習や生活に役立てる」ことを目標に卒業迄に文部 科学省認定書写技能検定試験3級以上の取得を目指します。

本校の S 探求コースと LA コースにおける6カ年の書写書道の学びのねらいは、『我 が国の将来の知的基盤社会における生涯学習の重要な観点である「生きる力」の定着の ための、文化芸術の深い素養と教養と専門技能を有する「知的体力」を養うため』とし、 自国文化を自信を持って諸外国に発信できるアイデンティティー【identity】確立のた めの重要な学びと位置づけています。

 

 

将来の国際交流の場面での自国の文化を語ること のできる人材育成に向けては、中高時代の継続した芸術科目の学びのプログラムが必須 であると強く考えています。

指導は3名の書写書道の専門の先生方により実施し、書写の基本技能や文房四宝(筆 墨硯紙)の正しい扱い方•漢字の五つの書体の名筆臨書•仮名の名筆臨書を6年間で21 0時間の授業を行います。6 年間のシラバスでは「表現活動(理論と表現)」を A 書写 技能の向上、B 書道芸術表現の学び、C 伝統文化の学び、D 言語活動としての活動に分 類し、また「鑑賞活動」では E 名筆の鑑賞や他者の表現活動の尊重を柱に「博物館・美 術館鑑賞活動」や特別講座「博物館学校連携授業=博学連携授業」を実施していきます。

指導計画における単元は新学習指導要領に準じた科目単元とし、高等学校における芸 術科書道の取得単位数は3とします。

さらに高校3年生で開講する書道系大学や文字文化を専門に研究する大学および将 来の高等学校国語科教諭などを志望する生徒に対しては受験対策ゼミにおいて、将来幼 児教育者及び小中高等学校の先生志願者向けの「教育志願者書道講座」(希望制52時 間予定)、将来の「書道科設置大学受験対策・文字文化探求演習」(希望者62時間開講 予定)について開講し、受講に関する S 探求コースの受講規定・受講資格は高2の段階 で説明を行います。

また6年間の書写書道の授業で制作した作品の中で、「漢字の書」「仮名の書」の作品 は、全国規模の書道展に出品していきます。

2 S 探求コース・LA コースの学習単元名称について 指導単元名称は以下の13領域としシラバスで周知し、セミ反転授業を中心とした学

習内容を実施します。

指導単元

(1)漢字の書(楷書 行書 草書 隷書 篆書)

(2)仮名の書(平安時代の名筆)

(3)漢字仮名交じりの書

(4)実用の書

(5)応用の書

(6)硬筆

(7)書道史

(8)書道概論・書道文化史(自国の伝統文化の理解と発信)

(9)篆刻・刻字

(10)レターデザイン

(11)文字環境表現

(12)鑑賞研究(博物館・学校連携含む)

(13)作品装丁・伝統工芸(和紙を含む)

中学校における書写の学習時間

   中学1年 32時間     

            中学2年 32時間     

           中学3年 32時間

高等学校における芸術科書道取得の単位数と学習時間

   高校1年      

                            書道I  1 単位 32時間

   高校2年      

       書道I  1単位 32時間

   高校3年      

       書道Ⅱ   1単位 32時間

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